定時制をなくさないで! 高校生やOBと懇談

9月20日は「江北高校定時制の存続を求める会」の皆さんが控室にきて、存続を求める切実な要望を聞かせてくれました。新しくなった都議会の各会派を回っているとのことです。

足立区西綾瀬にある都立江北高校の定時制は、大田区の雪谷高校、品川区の小山台高校、立川市の立川高校とともに、都教委が2016年2月に廃止計画を決定してしまいました。これに対して、夜間定時制の存続を求める3万506人分の署名が知事と都教委あてに提出され、多くの都民が廃止反対の声をあげています。今回、控室に訪れた足立区の「存続を求める会」の皆さんも、あらたに3,000筆を超える署名を持ってきて、都に提出しました。

懇談には61歳で江北高校の定時制に入って学び、大学も卒業したというOBの石井さんと、いま現在通っている現役高校生の若い男性も来てくれました。それぞれの言葉に重みがあります。

 

OBで、存続を求める会の会長を務めている石井さんは、若い頃は生活が大変で中学校にいくこともままならなかったけれど、60歳になって半世紀ぶりに学校に行ったこと、そして異年齢の友人と過ごす学校生活が喜びだったといいます。年齢がずっと上の石井さんにたいして、だんだんと若い級友たちが、どうして高校にきたのかなど、関心をしめて、話しかけてくれるようになったといいます。石井さんの存在は、それぞれに困難を抱えながら、定時制高校に通う若い学生さんたちにとっても大きな励みになっていたんではないかと感じました。

若い現役高校生の男性は、みんなであたりまえのように同じことをする学校生活になじめなかったといいます。でも、親のすすめで足を運んでみた定時制高校では、多様なひとが思い思いに学校生活を送りながら学ぶことができて居心地がいいといいます。とくに自校式の温かい給食が大好きで、毎日写真を撮っているとのこと。その写真を持ってきてくれました。東京都はこの給食室も廃止するとしています。私は以前にも給食の写真を見せてもらったことがあるのですが、夜間に学校に通う生徒たちのために学校給食を残してほしい、というその願いに涙が出てくる思いです。

昼間の勤労者、全日制に入学できなかった人、不登校経験者、高校中退者、夜間中学の卒業生、高齢者、外国人など多様な生徒の学びの場となっている定時制高校。クラス編成があることで、勉強だけでなく、クラスメイトとの人間関係、先生との信頼関係を築いていけることで、互いが尊重し成長し合える大切な場になっている定時制高校、廃止ではなく拡充こそがもとめられているのではないでしょうか。

私も廃止を撤回させていくために全力でがんばります!