ジェンダー平等めざし、就活セクハラの根絶を

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文教委員会 2020年3月17日

国際的におくれた到達をただすために

 

斉藤委員 私からは、男女平等参画の取り組みについて伺います。
東京都では女性の活躍を掲げ、戦略ビジョンでも、女性がみずからの希望に応じた生き方を選択し、自分らしく輝いている東京を描いています。
生活文化局でも、これまでに男女平等参画を促進するための取り組みを行ってきたところだと思いますが、昨年十二月に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数において、日本はG7で最下位、百五十三カ国中百二十一位と、前年よりも後退して過去最低となりました。
こうした状況について、女性の活躍を掲げる都として、どのように受けとめているでしょうか。

赤羽男女平等参画担当部長 近年、男女平等参画に関する社会の機運は高まりを見せておりますが、ジェンダーギャップ指数における日本の順位は、委員お話しのとおり、百五十三カ国中百二十一位でございます。
男女平等参画について、より一層、取り組む必要があると認識しております。

斉藤委員 今、重要な認識のご答弁がありました。生活文化局がまとめている東京都男女平等参画推進総合計画の中で、知事は、東京は日本の女性活躍を進めるエンジンとなって、強力に取り組みを進めていく必要があると述べています。
こうした中で、男女平等参画を政策の大きな柱の一つとしている生活文化局の役割は、ますます大きなものになっていると思いますが、いかがですか。

赤羽男女平等参画担当部長 生活文化局は、都における男女平等参画施策を総合的に推進する役割を担っております。
このため、条例及び関係法律に基づく東京都男女平等参画推進総合計画の策定、庁内連携を図るための東京都男女平等参画推進会議を設置、運営するなど、庁内各局とともに男女平等参画施策を着実に推進しております。

斉藤委員 都における男女平等参画施策を総合的に推進する役割を担っていて、庁内各局とともに男女平等参画施策を推進していくということです。
とりわけ、男女平等、ジェンダー平等は、今、世界的にも求められているものです。女性が生きやすい社会をつくるということは、男性も、誰もが生きやすい社会につながっていきます。生活文化局においては、この役割にふさわしく、誰もが生きやすい社会の実現のために取り組みを強化していただきたいと思います。
この世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、ご存じのとおり、政治、経済、教育、健康の四つの分野のデータをもとにして各国の男女の格差を分析した指数ですが、日本では、特に政治と経済の指数が低いということは、皆さん、ご承知のとおりだと思います。

 

就活セクハラをなくす活動を

 

特に労働の分野では、女性に家事や育児という役割が押しつけられ、労働の現場から排除されてしまう現実や、賃金格差の問題など、さまざまな要因がありますが、今、働く入り口に立とうとしている多くの女子学生が、就職活動のときに企業側の人からセクハラを受ける就活セクハラの問題も深刻になっています。
私は、この間、就活セクハラの問題で声を上げた学生さんたちにお話を伺ってきました。セクハラの多くがOB訪問やインターンの場で起きているということですが、特に、選考ルートに組み込まれているOB訪問では、飲み会の誘いなども断ることができずに、そうした場で、彼氏はいるのとか、容姿のことをいわれたりするということが日常茶飯事だといいます。飲み会などを断ると、君はそれでいいのと、おどされるということです。
就活セクハラは、求職者と採用側という対等でない力関係のもとで行われるものであり、弱い立場の学生の多くが泣き寝入りをしている現状です。
私は、今定例会の一般質問で就活セクハラについて取り上げましたが、その中で、知事は、セクハラは、働く方の個人としての尊厳を傷つける社会的に許されない行為であります、労働者はもとより、就職活動中の学生等に対しましても、あってはならないものと強く認識をいたしておりますと、重要な認識を答弁されました。
生活文化局としても、就活セクハラの問題にも着目をして取り組みを検討していく必要があると思いますが、見解を伺います。

赤羽男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザの女性相談に就職活動中のセクハラに関する相談が寄せられた場合は、専門の相談窓口であります東京労働局総合労働相談コーナーをご紹介しております。
就職活動中のセクハラは、厚生労働省が職場におけるハラスメントに位置づけておりますことから、所管局が国とも連携して対応しております。

斉藤委員 東京ウィメンズプラザの女性相談に就職活動中のセクハラに関する相談が寄せられた場合はということですが、実際には、ウィメンズプラザの相談窓口には、就活セクハラの相談が来たという実績はほとんどないと伺っています。そもそも、相談窓口の対象として就活セクハラを掲げているわけではないので、実績がほとんどないということも当然だろうというふうに思います。
また、相談につなぐ先としても、厚労省所管の東京労働局ということなので、都としての取り組みは、現状では非常に弱い状況です。
学生の皆さんは、まずは相談できる窓口をたくさんつくってほしいと訴えています。
東京都では、来年度から産業労働局がSNS相談窓口をつくることにしていますが、対面での相談が必要な場合は、やはり東京労働局につなぐということです。
都として主体的に取り組み、相談窓口をふやしていくためにも、現在のウィメンズプラザの女性相談にも就活セクハラをしっかりと位置づけて、周知を行っていただきたいということを求めておきます。
就職活動を行う学生などの若者向けという点では、生活文化局では、来年度から新規事業として、キャリアデザインのためのeラーニングコンテンツの作成があります。この概要について、先ほど質疑がありました。中身は、キャリアデザインを考えるきっかけとなるよう、就職活動を迎える前の若者を主な対象者として、スマートフォン等で気軽に楽しみながら学べるコンテンツを作成する予定だということでした。
例えば、そのキャリアデザインのためのeラーニングコンテンツに、就活セクハラの事例や、来年度から産業労働局が開設準備を行う就活セクハラのSNS相談や、東京労働局の案内を掲載するなど、生活文化局としてできることを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

赤羽男女平等参画担当部長 庁内各局が実施いたします男女平等参画に関するさまざまな取り組みにつきましては、東京都女性活躍推進ポータルサイト等を活用し、幅広く発信するなど、適切に連携し、対応しております。

斉藤委員 東京都女性活躍推進ポータルサイト等を活用して、適切に幅広く発信していくということですので、ぜひここに、就活セクハラの事例のほか、産業労働局が新しく立てる相談窓口の案内などを表示をしていただきたいというふうに思います。
就活セクハラに悩む学生の方々は、この問題を社会に可視化してほしいと訴えています。多くの学生や求職者が泣き寝入りをするしかない中で、問題があることが社会に認識されていない状況が続いてきました。問題を可視化していくためにも、実態を把握していく必要があります。ぜひ生活文化局として、就活セクハラの相談を対象として実態を調査していくということもあわせて求めます。
私自身の経験でもありますが、結婚した後、三十歳過ぎてから転職活動を行ったときには、面接でお子さんのご予定はというふうに聞かれました。しかし、同時に受けていた欧州系企業の面接では、私たちの会社では、女性を採用するときに、年齢や既婚か未婚かなどは関係ないんですよといわれて、正社員として採用をされました。このときに、どれだけ救われた思いになったか。日本の企業もこうなれば、どれだけ多くの日本の女性が救われるだろうかと本当に思いました。
性別を理由とする差別は男女雇用機会均等法で禁じられていますが、それがまかり通っている現状を変えていかなければなりません。
昨年六月には、国でセクハラ防止法が成立しましたが、長年、国民、そして国際的にも繰り返し求められている禁止条項がないということなど、実効性に乏しいものとなっています。
全ての女性、男性も、誰もが活躍できる生きやすい社会を東京からつくっていくためにも、この問題に生活文化局としても向き合っていただきたいというふうに思います。

 

活動の基礎となる調査活動の充実を

 

最後に伺います。
私は、生活文化局の大きな役割として、社会問題の解決のために啓発や機運の醸成を行っていくということがあると思います。その基礎となるのが調査活動だというふうに思っています。
生活文化局では、今、男女平等参画にかかわる調査活動について、どのようなことを行っているのでしょうか。

赤羽男女平等参画担当部長 男女平等参画施策を総合的に推進していくため、雇用、就業状況、保育サービスの整備状況など、東京の男女平等参画の状況及び施策の実施状況等につきまして情報収集、分析を行い、毎年度、年次報告として公表しております。

斉藤委員 東京の男女平等参画の現状及び施策の実施状況等について情報収集をして、年次報告として公表しているということです。この中では、男女平等参画にかかわる各分野の調査や統計が一つにまとめられていて、ワンストップ的に調べられるようになっているという点は、とても有効だというふうに感じました。
しかし、調査自体は、国や都の関係各局が行っているものが中心で、ご答弁にもありましたが、あくまでも情報収集をしてまとめているというものになっていると思います。私は、生活文化局の事業として独自の調査を充実させて、都政のさまざまな政策につなげていく、まさに東京都の牽引役を果たしていくような取り組みが必要なのではないかと思います。
私は、この間、かつてウィメンズプラザが、都の直営ではなくて東京女性財団が運営していたころの資料を幾つか見てみました。このときは、財団としての研究だけでなく、都民や団体の研究に対しても経費の一部を助成して、調査活動に力を入れていました。
(資料を示す)これは、二十年前、二〇〇〇年に発行された東京女性財団助成事業年次報告になります。この中に、都民や民間の研究家、市民活動家などの調査内容がまとめられています。これは、助成を受けて都民の皆さんが行っている研究が載っているというものです。
中身は、就職活動が女子大生に与える精神的ストレスとか、働く女性の性役割とメンタルヘルスに関する研究、また、間接差別をなくし、同一価値労働同一賃金を実現するなど、今現在の課題にも重なる重要な研究が行われていたということがわかります。
さらに、一九九七年発行の、この財団が発行したものですが、ジェンダーチェックという冊子もあります。(資料を示す)これになります。さまざま種類があるんですが、これは二十三年前のものになります。
このジェンダーチェック、中を開くと、項目からチェックしていくことでジェンダーの理解度をはかる、認識をはかることができる、そういう中身になっているんですが、大人編、それから中学・高校生編、そして小学生編もある。あと教師編もあります。小学生編には、子供も読めるように仮名が振ってあります。
とても豊かなジェンダー平等の取り組みが行われていましたが、これらの事業は、石原都政のときに切り捨てられたということでした。それから長年にわたって、ウィメンズプラザでのこうした取り組みが縮小されたままになっているのは、本当にもったいないというふうに思っています。
当時を知る専門家の方は、ウィメンズプラザでは、かつて豊かな男女平等参画の取り組みがあったけれども、今は貸し館業のようになってしまったという言葉も聞いています。当時は、ここでの研究が、東京都において政策提言として有効に活用されていただけでなく、男女雇用機会均等法の改正など、国レベルの政策でも大きな影響を及ぼしてきたということです。
ぜひ男女平等参画、ジェンダー平等の社会をこの東京から実現していくためにも、調査活動を充実させて、都の施策を牽引していく役割を担っていただくことを改めて求めて、質問を終わります。