地下鉄で、水害にそなえた浸水対策のとりくみを

※ 2023年3月14日、公営企業委員会

〇斉藤委員 交通局では、先ほども質疑がありましたけれども、浸水対策の強化に向けて、浸水対策施設整備計画をこの二月に策定しています。二〇一五年の水防法改正に伴って、想定し得る最大規模の降雨や高潮による氾濫を想定した新たな浸水予想区域図などが公表され、これに基づいて、地下鉄での浸水対策を強化する計画だということです。

 都市型水害のほか、荒川が氾濫した場合の洪水への対策、高潮による浸水への対策が示されています。私も拝見させていただきましたが、対策前のシミュレーションと対策後のシミュレーションの比較で、対策を行った後は、地下鉄への浸水被害が低減されるということが分かります。

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いまの計画では浸水の恐れがある地下鉄路線へ、抜本的な対応を

〇斉藤委員 関連して幾つか伺いますが、荒川右岸の二十一キロメートルの破堤や高潮を想定した場合の対策を行った後でも、トンネル内が満水になる路線が幾つか残る状況になっていますが、これはなぜなのか伺います。

◯生越技術企画担当部長 浸水のおそれのある出入口等のうち、浸水深が深い一部の箇所につきましては、建て替えなどの抜本的な対策が必要でありまして、今回策定した整備計画のスケジュールにはよらず、駅の大規模改修等の機会を捉えて対策を検討、実施することによるものでございます。

◯斉藤委員 浸水深が深い一部の箇所は、抜本的な対策が必要で、駅の大規模改修などの機会を捉えて対策を行っていくということです。

 今回の整備計画のスケジュールだけでは収まらない対策も必要だということですが、ぜひ都民の命を守るために、乗客の命を守るために、大規模改修にも計画的に臨んでいただきたいというふうに思います。

避難経路などを駅利用者に分かりやすく示す工夫を

〇斉藤委員 改正水防法では、浸水対策について、避難確保・浸水防止計画を策定したときは公表するということが求められていますが、その取組状況について伺います。

◯太田安全管理担当部長 都営地下鉄では、水防法に基づき、避難確保・浸水防止計画を全ての駅で策定するとともに、各駅で閲覧できるようにしております。

 また、浸水想定区域に位置する全四十一駅分については、局ホームページにも掲載しております。

◯斉藤委員 以前の質疑でも伺ってきたんですけれども、避難確保や対策について、ふだんから分かりやすい方法で都民にお知らせしていくことが大事だと、利用客の方にお知らせしていくことが大事だというふうに思っています。

 東京メトロでは、車内に東京メトロの水害対策という広告大のポスターが貼られています。どんな対策をしているのか一目で分かるようになっていて、利用者としても、とても参考になるものです。交通局でも、駅構内や電車内の広告、ディスプレーなどを活用して、水害対策の取組や避難経路などの掲出をするなど工夫を行って、利用者に分かりやすく水害時の対応についてお知らせをしていただきたいというふうに思います。

地下鉄駅での避難訓練のとりくみ

〇斉藤委員 止水板や防水ゲートなどのハードの対策と同時に、ソフト対策、避難訓練なども大事な取組です。

 大規模な浸水が想定される場合は、早めの浸水防止対策と避難誘導が重要ですが、そのための訓練はどのように行われているのか伺います。

◯太田安全管理担当部長 都営地下鉄では、大規模水害の発生が予見される場合には、お客様の安全確保の観点から計画運休することとしており、タイムラインに基づく訓練を実施しております。

 また、施設や設備の浸水に備え、駅係員が防水扉を稼働させたり、止水板を取り付けるなど、被害の軽減を図るための手順を定めており、これに基づく訓練を実施しております。

◯斉藤委員 タイムラインに基づく訓練など、大切な取組だと思います。乗客の命と現場の皆さんの命が守られるよう、着実に対策を進めていただきたいというふうに思います。

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