全国でいちばん混雑する電車「日暮里・舎人ライナー」。悲鳴のような多くの声がアンケートによせられました。混雑の解消にむけて、ライナーの下を走る都バスの増便と連携強化を提案し、ついに東京都が実証実験へ踏み出すことになりました。(2025年3月14日、予算特別委員会)
4年連続で全国トップの混雑率に
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いします。
知事は、公約に満員電車ゼロを掲げていました。混雑解消の重要性について伺います。
○小池知事 都は、コロナ禍以前からオフピーク通勤などを促進してきておりまして、新しい働き方、浸透してきております。
これまで、鉄道ネットワークの充実や民間企業との連携によりますスムーズビズなど、様々な取組を行っております。
引き続き、ハード、ソフト両面から総合的に鉄道の混雑緩和へ取り組んでまいります。
○斉藤委員 引き続き取り組んでいくということです。
都営交通である日暮里・舎人ライナーを安心して利用してもらうためにも、混雑緩和、混雑解消は喫緊の課題です。
パネルをご覧ください。日暮里・舎人ライナーは昨年の混雑率は一七一%となり、四年連続で全国一位となりました。
アンケートには、切実な声が次々に
〇斉藤委員 足立区の利用者からは、何とかしてほしい、切実な声が寄せられ、私は混雑解消のための対策を繰り返し求めてきました。
私は、今回改めてネットアンケートを行いましたが、八割を超える方々が混雑解消、混雑状況を改善してほしいと答えています。
アンケートには、混雑時はぎゅうぎゅうに押されても、なお乗れない人が多いという声や、毎日圧死するのではないかと思うほど混雑しています。このままでは本当に危険だと思いますという切実な状況が寄せられています。
日暮里・舎人ライナーにおける混雑緩和策について、交通局の見解を伺います。
○久我交通局長 日暮里・舎人ライナーでは、開業以降、沿線開発の進展などにより乗客数が伸び続ける中、車両の増備や座席を全てロングシート化し定員を増やした新型車両への更新、時差ビズと連携したオフピークキャンペーンや、ラッシュ時間帯における混雑状況の見える化など、ハード、ソフト両面から混雑緩和に最優先で取り組んでまいりました。
一方、車両の保有数は既に車庫の留置能力の限界を超えているなど、施設上の制約により、営業を継続しながら抜本的な混雑緩和を図ることは困難な状況となっております。
こうした中、引き続きオフピーク通勤の促進などに取り組むこととしております。
○斉藤委員 まだ残っている四編成の車両のロングシート化については、早急に新型車両への更新を行うように、改めて求めておきます。
この間、ハード、ソフトの両面から対策を行ってきたということですが、それでも現状のような混雑です。今の五両編成から六両編成に増やしてほしいという声もありますが、施設上の制約から難しいということです。つまり、現状ではライナーの改善だけではどうにもならないということは明らかです。
混雑の緩和へ、都バスの増便や連携を提案
〇斉藤委員 日暮里・舎人ライナーの下には都バス里48系統が走っていますが、今は朝七時台と八時台に一本ずつしか運行していません。
アンケート調査では、バスの増便や代替輸送の改善を求める声が二番目に多く上がりました。
都バス里48系統の増便を行い混雑緩和につなげてほしい、せめてバスの運行本数を増やし、十分に一本程度の頻度で運行してほしいという声が寄せられています。
日暮里・舎人ライナーと並行している都バス里48系統を増便することを求めますが、いかがですか。
○久我交通局長 都営バスでは、里48系統を含め、お客様のご利用状況などを踏まえまして、路線やダイヤを設定しております。
○斉藤委員 利用状況を踏まえてバスのダイヤを設定しているということなら、同じ区間を走るライナーの混雑状況を一緒に考えていく必要があると思います。
神戸市ではポートライナーの混雑緩和に向けて、同じ区間を走っている民間のバスと連携して、ライナーの定期券購入者を対象に、バスとの共通パスをつくって、バスにも乗れるようにする実証実験を行っています。
私はこの事例を取り上げて、都としてもライナーと都バスの連携をするべきだと求めてきました。
改めて市の担当の方にお話を伺いましたけれども、この取組で一〇%程度の混雑緩和につながっているということです。
アンケート調査には、バスの本数が増えれば、時間に余裕のある方はバスを利用して、ライナーの混雑も多少緩和されるのではないかという声も届けられています。
少なくとも、混雑が激しく、乗車することが困難になっているライナーの中間地点の駅から日暮里駅までの区間だけでも、ライナーの下を走る都バス里48系統の増便を行い、神戸市のようにライナーの利用者にバスも使うことができるようにするなど、実証実験することを求めますが、いかがですか。
○久我交通局長 バスを活用した日暮里・舎人ライナーの混雑緩和につきましては、先般、足立区から区との連携による社会実験の要望を受けたところでございまして、今後、具体的内容につきまして区との協議を進めることとしております。
○斉藤委員 足立区から同様の要望があったということで、区との協議を推進していくということです。積極的な取組を求める、期待するものです。
一方で、バスの増便のためには、運転手の確保が喫緊の課題です。
現在、交通局ではバスの運転手確保のために、二種免許を持たない人でも、採用してから免許取得の支援をする養成型選考を行っていますが、規模を拡大することが必要ではないですか。
○久我交通局長 乗務員不足により路線の維持が困難となってきている中、都営バスにおきましては人材確保を図るため、来年度、大型二種免許未取得者を対象とした養成型選考を倍増することとしております。
○斉藤委員 今年度の養成型採用の枠は二十人でしたから、四十人程度に倍化するということです。ぜひ、喫緊の課題である日暮里・舎人ライナーの混雑解消と、そのためにも切実に求められている都バスの里48系統の活用と充実に向けて力を尽くしていただくことを求めます。