※ 2023年10月23日、公営企業会計決算特別委員会
〇斉藤委員 下水道施設の上部利用と工事における住民との対話について伺います。
下水道施設は、衛生や浸水対策においても都民にとって欠かせない施設ですけれども、近隣の住民の方々からは迷惑施設として捉えられることも少なくありません。だからこそ、近隣の住民の方々には丁寧な説明を行い、要望を伺っていくことが大切です。
千住関屋でのポンプ所の建設にあたって
〇斉藤委員 足立区では、現在、浸水対策の一環として千住関屋のポンプ所が建設中ですが、この工事の説明や上部利用について、住民への説明会などの、これまでと昨年の実施状況について伺います。
◯杉山施設整備担当部長 千住関屋ポンプ所におけます地元説明会などにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響などにより実施しなかったこともございますが、これまでに年に複数回実施してきており、直近では令和四年十二月に実施いたしました。
◯斉藤委員 説明会等ということですけれども、これまでに年複数回行って、コロナ禍では実施しなかったこともあるけれども、直近では昨年十二月に実施しているということです。
私も今回改めて住民の方々からお話を伺いました。以前から聞いていたこともありますが、最近の新たな疑問など、いろいろお声をいただきました。
大量の土砂搬出への心配の声にこたえて
〇斉藤委員 まず、工事が始まる当初のことですが、この工事は、地中深く、地下五十メートル以上から土を掘り出してポンプ所を造るため、大量の土砂の搬出のために、近隣では、運搬車両の振動や土ぼこり、砂ぼこりなどの心配の声が上がっていました。
周辺の住民から、これらの対策をしてほしいという声が届けられてきましたが、どのような対策を行ったのか、改めて伺います。
◯杉山施設整備担当部長 千住関屋ポンプ所の建設に当たりましては、地元と協議をし、建設発生土の搬出方法について、船を使った搬出とするなど、対策を実施いたしました。
◯斉藤委員 ポンプ所は隅田川沿いにあるため、建設発生土は船で運ぶという対策を行ったということです。これによって、工事車両の往来を大きく低減することができてよかったという声を住民の方々からいただいています。住民の皆さんの声に寄り添って、可能な対策をしていただいたことに改めて感謝をいたします。そして、今後も同様に住民の方々の声を聞いていただきたいというふうに思います。
電線の敷設のための街路樹の伐採をめぐって
〇斉藤委員 工事は二〇二五年度まで続き、ポンプ所の稼働は二〇二六年度からということですが、現在も、また住民の方々からの新たな声が届いています。
例えば、ポンプ所に必要な電源を確保するために行った区道での電線の敷設のための工事において、プラタナスの並木が、樹木が、街路樹が伐採されたということです。この街路樹は復旧してもらえるのかと心配する声がありました。
直接的には区や東京電力が行っていることかもしれませんが、下水道施設のために行われている工事だということなので、下水道局としても、状況をつかんで、住民に説明や情報提供を行えるようにしていただきたいというふうに思います。
施設の上部利用について、足立区と連携しながら、住民との直接対話を
〇斉藤委員 また、施設の上部利用についても、詳細が決まってしまう前に要望を伝える機会はないのかという声もいただいています。上部の整備については区が行うというこれまでの質疑もありましたけれども、施設の所有者として、都も連携して、区と共に直接住民の声を聞く機会をつくっていただきたいと思いますが、今後の住民との対話の機会、説明会などの実施予定について伺います。
◯杉山施設整備担当部長 千住関屋ポンプ所につきましては、これまで、地元説明会を年に複数回実施するなど、地域の皆様からご意見、ご要望をいただきながら工事を進めてきており、今年度につきましても、地元説明会等を実施する予定としております。
また、本ポンプ所の上部の一部につきましては、足立区からの要望等を踏まえ、区が維持管理をすることを前提に、上部利用の協議を進めているところであり、具体的な整備方針等は区が検討を進めております。
◯斉藤委員 今年度に地元説明会等を実施する予定というご答弁でした。
足立区の担当部署の方にも伺いましたが、やはり足立区でも説明会を開く必要があると認識しているようでした。ぜひ、区と連携して、一緒に説明会を開き、広く住民に開かれた機会をつくっていただきたいというふうに思います。
中川水再生センターの土づくりの里の建設にあたって
〇斉藤委員 同じく足立区にある下水道局の施設について伺います。
足立区の中川水再生センターでは、隣接する土づくりの里の建設が続いていますが、昨年度までの進捗状況と今後の工事のスケジュールについて、改めて伺います。
◯杉山施設整備担当部長 土づくりの里では、二分割で覆蓋工事を進めており、令和四年度には、敷地の造成工事などを進めました。
現在、当初予定の令和十二年度に第一期の覆蓋工事を完了できるよう、工事進捗に努めております。
◯斉藤委員 土づくりの里には、私も、前期の最初のときに一度、施設の中まで伺っていますけれども、とても広い敷地で、覆蓋工事は二期に分けて行われること、また、第一期目の覆蓋工事の完了予定が二〇三〇年であり、第二期の完了予定はいつなのかということは、まだ明らかになっていないということで、とても工期の長い工事になっています。
やはり建設に当たっては、近隣の住民の方々からは反対の声があり、当初は暫定として事業が始まったというふうに聞いていますが、本格設置を決める際には、近隣の方々に少しでも貢献できる施設にしようと、隣接する都立中川公園と一体的に利用できる上部利用についての話合いが行われてきたとされております。
それぞれにご苦労があったことと思いますけれども、今後の住民の方への丁寧な対応を引き続きお願いしたいというふうに思います。
長期におよぶ工事であり、安全性などへの住民の不安によりそう丁寧な対応を
〇斉藤委員 この工事は本当に工期が長いため、従来から住んでいる方々には周知されていることでも、そもそも何の施設なのかと聞かれることもあります。工事で発生した土を埋め戻すために再利用する、このために改良を行う施設ですけれども、基本的なことについて再確認をしたいと思います。
現在は工事中のため、土の改良の作業自体は行われていないと思いますが、土づくりの里で改良が行われていた建設発生土はどのようなものか、下水道工事以外で出た建設発生土も含まれるのか、また、それらの土質検査はどのように行われていたのか、改めて伺います。
◯杉山施設整備担当部長 土づくりの里におけます建設発生土は、下水道工事に伴い発生したものでございます。
下水道局は、一件工事で五百立方メートル以上の建設発生土を搬入する工事を対象として、土壌汚染対策法に基づき、搬入者に有害物質に関する土質試験を義務づけるなど、有害物質が含まれていないことなどの条件を満足する建設発生土について受入れをしておりました。
◯斉藤委員 建設発生土を搬入する事業者に対して、土壌汚染対策法に基づく土質試験を義務づけていて、有害物質が含まれていない土を受け入れているということです。今後も安全については最大の配慮を行っていただきたいというふうに思います。
この最後の完成までには何年かかるか分からないという工期の長い工事のため、近隣の住民や町会に関わる方々も替わっていく状況もあるかと思います。今後の住民との対話も定期的に丁寧に行っていく必要がありますが、今後の説明会などの機会について、どのように予定されているのか伺います。
◯杉山施設整備担当部長 これまで、土づくりの里に関しましては、地元説明会を実施するなど、地元の皆様から様々なご意見、ご要望をいただき、事業を運営してまいりました。
覆蓋工事につきましても、これまでと同様に地元説明会を実施するなど、丁寧に対応してまいります。
◯斉藤委員 長い期間にわたっての工事ですので、住民の声を定期的に丁寧に聞き、地元区との調整や連携を行いながら、引き続き住民の方々に寄り添う対応をしていただくよう求めます。