2021年10月7日に発生した千葉県西部地震で、震度5強となった足立区の各地で、水道のマンホールからの漏水が発生しました。その原因と対策について、この間の経過をふまえて訴えました。(2021年11月29日、公営企業委員会)
震度5強で、マンホールから漏水してしまった原因は
◯斉藤委員 震災対策について伺います。
今後三十年の間、つまり二〇五〇年くらいまでの間に、首都直下型地震が起こる確率が七〇%といわれている中で、都民のライフラインを担う水道事業の耐震対策は最重要課題の一つです。
そんな中、先ほど来質疑もありましたけれども、先月十月七日には、千葉県北西部地震の影響によって、東日本大震災以来初めて都内で震度五強を観測しました。
私の地元の足立区では、まさにその震度五強の揺れで、まさか首都直下型地震かなと不安に思ったという区民の方がたくさんいました。
そうした中で、地震直後の水道のマンホールから漏水している箇所が、足立区内でも五か所あるという情報が入りました。
まず、深夜に現場に駆けつけて対応してくださった現場の方々に感謝と敬意を表したいと思います。同時に、大きな被害が想定される震災に備えて、教訓を生かしていかなければならないというふうにも思います。
決算質疑でも質疑もありましたけれども、今後のことも含めて質問をいたします。
この地震の影響によって、都内では、全部で二十三か所で水道のマンホール等から漏水が起きたということですが、まず、その原因について伺おうと思いましたが、これまでの質疑でも出ておりました。漏水の原因は、二十二か所が水道管の附属施設である空気弁の不具合によるもの、そして、残る一か所は、メーターと給水管のつなぎ目からの漏水だというふうなお答えが出ておりました。
私の方から、質問としては割愛をしたいというふうに思いますが、この水道管の附属施設の空気弁の不具合というものがどういうものかということも事前に伺いましたが、ふだんは、球体の弁が水圧によって上に押し上げられている状態で管の出口を塞いでいるということなんですけれども、それが振動によってずれたことで、水が流れ出ることになったのではないかということが推測されているというふうに伺いました。
水道管の空気弁の耐震化へ、検証してさらなる改良を
〇斉藤委員 東日本大震災のときは、空気弁の損傷があって漏水したということがありましたけれども、空気弁への対策は行われてきたのか、また、現在その空気弁の設備は都内にどの程度あるのか伺います。
◯藤村給水部長 当局では、東日本大震災の後、大型空気弁から耐震性のある小型空気弁への取替えを完了しており、現在、都内に約一万六千か所設置しております。
◯斉藤委員 大型の空気弁から小型の空気弁への取替えを完了したということです。今回の漏水は、現場の皆さん、水道局の皆さんの尽力の下、早急に止水が行われ、大事には至らなかったということは本当によかったというふうに思います。
一方で、私は、地震の翌朝に現場を周りましたけれども、震度五程度、あるいはそれ以下の揺れでも、都内で広くマンホールからの漏水があったということは、首都直下型のような大きな地震のときはどうなるのかという心配の声もありました。
地元の方からそういう声が寄せられていましたけれども、今回の検証や設備の改良など、さらに検討していく必要があると思いますが、改めてお伺いいたします。
◯藤村給水部長 現在、漏水が発生した全ての空気弁について、製造メーカー等に対して、詳細な原因の分析を依頼しております。
今後、判明した原因に応じて適切な対策を検討してまいります。
◯斉藤委員 詳細な原因の分析を製造メーカー等に対して依頼していて、今後、判明した原因に応じて適切な対策を検討していくということですので、ぜひ着実に対策を進めていただきたいというふうに思います。