※ 2022年11月10日、公営企業委員会
最も重要なライフラインとしての水道事業の役割が、脅かされている
〇斉藤委員 水道料金、下水道料金の支払い猶予と給水停止、徴収業務等について伺います。
コロナ禍に加えて、長引く物価高、燃料高騰によって、都民の暮らしは一層厳しくなっています。電気代、ガス代の値上げも続き、消費者物価指数は前年同月比で三%も上昇し、長期化、深刻化が予想されています。一方で、今年の八月の東京都生計分析調査では、勤労者世帯の実収入、これは一世帯当たり一〇%以上減少しています。都民の暮らしが一番厳しい今こそ、都民の命と暮らしを守るための役割が東京都に求められているというふうに思います。
その中でも、水道局は、命に直結するライフラインを担う重要な役割を担っています。
多くの都民が困難を抱える今こそ、水道局はその原点に立ち返って、命と暮らしを支える施策を行うことが必要ですが、まず、このライフライン、その役割の重要性について、改めて見解を伺います。
◯石井総務部長 都の水道事業は、最も重要な基幹ライフラインとして都民生活と首都東京の都市活動を支えており、引き続き、安全でおいしい高品質な水を安定供給するという、水道の根源的使命を果たしていくことが重要というふうに考えております。
◯斉藤委員 都民生活と都市活動を支える、そして、安全でおいしい高品質な水を安定供給するという根源的使命を果たしていくことが重要だという、大変大事な認識だというふうに思います。
加えていいますと、水道法に照らして、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とするということ、また、地方公営企業法では、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないというふうにされています。今まさに、この観点に基づいた対応が求められていると思います。
続けて伺います。
支払いができずに困窮している方々へ、今の観点からいっても、福祉につないでいくということが本当に重要な使命の一つになっていると思いますが、このことについてはどのように認識しているでしょうか。
◯坂井サービス推進部長 当局は、都が供給している全ての区市町と、行政による支援を必要とする者に係る情報の提供に関する協定を締結してございまして、徴収業務等で当局職員などがお客様宅などを訪問した際に異変に気づいた場合には、区市町の福祉部門などへ情報提供を行うことが必要であるというふうに考えてございます。
今後も水道事業者としての業務を行っていく中で、引き続き、福祉行政へつなげる取組を行ってまいります。
◯斉藤委員 福祉部門などへの情報提供を行うことは重要なことですと、そういう下で区市町とも支援を必要とする者に係る情報の提供、こういう協定も結んでいるということですよね。
ちょっと気になるのは、ご答弁の中で、その異変に気づいた場合にはとおっしゃったんですけれども、この異変に気づく機会というのもきちんと確保して、削減していくようなことはあってはならないというふうに思うんですね。
本当に今のご認識の言葉どおりの対応に今なっているのかということを、ちょっとこの質疑で明らかにしていきたいというふうに思います。
支払い猶予や未納となるほど困窮した都民へ、ていねいな対応が困難に
〇斉藤委員 まず、新型コロナ感染拡大以降、水道料金、下水道料金の支払い猶予を行っておりますけれども、この猶予について、これまでの実績、受付件数について、これ、資料要求で出していただいていてありますけれども、九月末現在、最後の九ページです、今、二万五千七百三十九件、累積の件数ということになっています。
このうち完済した件数とその金額について伺います。
◯坂井サービス推進部長 九月末の時点で、水道料金等の支払い猶予を実施した件数でございますけれども、二万五千七百三十九件、金額は約十八億七千万円でございます。
そのうち完済した件数につきましては、二万三千二百八十三件、金額は十七億三千万円でございます。
◯斉藤委員 完済した件数は二万三千二百八十三件ということで、支払いが終わっていないのが、その差引きで二千四百五十六件ということになると思います。
さらに伺いますが、公営企業決算の資料要求でいただいた中では、支払い猶予の受付件数を口径別で出していただいています。一番多いのは二十ミリ、続いて十三ミリということで、小口径が多くなっていますが、二〇二〇年度は、三十ミリ、四十ミリ口径も、それなりの受付件数になっています。
一般家庭だけでなく、事業者なども含まれているのか、その概要について伺います。
◯坂井サービス推進部長 支払い猶予は、個人や法人を含め全ての方を対象としてございます。
令和二年度の受付件数一万六千五百七十八件のうち、法人名義などの割合は約四割となってございます。
◯斉藤委員 二〇二〇年度は、法人名義の割合が約四割あったと。昨年度、二〇二一年度の口径別の支払い猶予の受付件数は、圧倒的に小口径が多い状況ですけれども、これは一般家庭が多いということなのか、小規模事業者も含まれているということなのか伺います。
◯坂井サービス推進部長 小口径では、お話のように個人が多い傾向にございまして、事業者などの法人名義の受付も含まれてございます。
水道局での給水契約におきましては、個人名もしくは法人名称の届出を求めているだけでございまして、小規模事業者かどうかにつきましては、把握はしてございません。
◯斉藤委員 二〇二〇年の最初の猶予のときは緊急事態宣言もあって、大口のホテルなどが休業を余儀なくされたということもあって、法人名義の割合が約四割だったというふうにも聞いています。そして、昨年度は、小口径の契約の方々で、個人が多い傾向だということです。
ご答弁のとおり、現在は、個人の方々、あるいは小規模事業者の方々もいらっしゃるかもしれないですけれども、こうした方々が支払いを行っていく上で、丁寧な対応が不可欠になっているというふうに思います。
この猶予を受けていた方々が、困窮しているということが分かれば、水道局は、区市町の福祉行政につないでいくということが必要ですけれども、支払いが終わっていない二千四百五十六件のうち、支払いが困難な状況などから福祉につないでいる件数は幾つあるのか、また、福祉につないでいる全体の数について、二〇二〇年度からの件数を併せて伺います。
◯坂井サービス推進部長 支払い猶予による支払いが終わっていない二千四百五十六件のうち、徴収業務などで当局職員などがお客様宅などを訪問した際に異変に気づいて区市町の福祉部門などへ情報提供を行ったものは、令和四年九月末現在ございません。
また、区市町の福祉部署に情報提供いたしました件数としては、令和二年度は九件、令和三年度は十四件、令和四年度は九月末時点で十二件、合わせて三十五件となってございます。
◯斉藤委員 支払い猶予を行って現在完済していない二千四百五十六件のうち、福祉部門につないでいるケースはないということなんですね。全体の中でも、福祉部門につないでいる件数はとても少ない状況です。ちなみに、今年度の十二件の内訳として、そのうちの十件が委託の検針員さんが定期検針のときに異変に気がついて福祉につないでいるということ、これは今回の決算の質疑で我が党の和泉なおみ都議の追及で明らかになっています。
さらに伺いますけれども、支払いが終わっていない二千四百五十六件のうち、給水停止になった件数は何件か伺います。
◯坂井サービス推進部長 支払い猶予期間を過ぎても支払いが困難なお客様につきましては、引き続き個別の相談に応じるなど、お客様の状況等を踏まえたきめ細やかな支援に努めているところでございます。
しかしながら、支払い猶予期間が終了した後にお客様から支払いに関する特段の相談もいただけない場合には、複数回の催告を行い、それでも連絡等をいただけない際には、やむを得ず給水停止を行っているところでございます。
二千四百五十六件におきましても同様に、やむを得ず給水停止を行うことがございまして、その件数は三百二十七件でございます。
◯斉藤委員 いろいろおっしゃっていただいたんですけれども、給水停止した件数は三百二十七件ということなんです。私、これ本当に驚きの数字だというふうに思います。二千四百五十六件のうち福祉につないでいる件数はゼロ、その一方で、給水停止を行っているのは一割超えの三百二十七件ということ、給水停止をやっているということですよね。そのきめ細やかな支援に努めているという、こういう立派なご答弁ですけれども、実際は、全くそうなっていないという状況なんじゃないでしょうか。今ご答弁で、複数回の催告を行いと、今年度は郵送でやっているということだと思うんですけれども、それでも連絡等をいただけない場合にはというふうにいっていて、その人の責任かのようにしていっているんですけれども、これ、丁寧な対応が必要だということは私もずっと繰り返しいってきています。訪問によって催告するということも本来やるべきところですけど、そこがどうなっているのか、今、大変な問題になっています。
全国各地で水道料金の減免が広がる一方で、東京では給水停止が急増
〇斉藤委員 続けて伺いますけれども、給水停止の今年度からの総数について、現時点での最新の件数を伺います。
◯坂井サービス推進部長 今年度九月末までの給水停止件数につきましては約九万件でございます。
◯斉藤委員 今年度のこの半年間、六か月間で約九万件、これも本当に驚きました、この数字。給水停止件数の年度ごとの推移について、これも公営企業決算での資料要求で毎年私たちいただいていますけれども、例年では一年間で十万五千件弱なんです。それが今年度は半年で約九万件、ということは、例年の一・五倍から二倍に増えるような勢いで給水停止をやっているという、そういうことですよね。
今どういう時期かといったら、長引く物価高騰や燃料費高騰で暮らしが本当に厳しいという状況が都民に広がっている状況です。全国的に広がっていて、全国的には上下水道の基本料金減免を行う、そういう自治体が広がっている、そういうときですよ。こういう厳しい状況の中で支払いができずに催告を受ける方が増えるということは予想できることだと思うんですけど、しかし、そうした方々の命に直結する水の供給を断ち切っていいということは絶対あってはならないことです。本当に全国では、住民の暮らしを支えようと、今、上下水道の基本料金の減免など住民に温かい政策が広がっているときに、私は、東京都は一体何をやっているのかと、この事実を知って驚きました。本当に私、これショックを受けました。なぜこんなにも給水停止が増えてしまっているのか、これ、経済状況で払えない人が増えている、単純な、そういう理由だけではありません。
給水停止にいたる期間短縮の検討は、きっぱりやめよ
〇斉藤委員 催告の業務と給水停止までのサイクルについて、私は、昨年のこの事務事業質疑でまさに取り上げてきました。
確認をしていきたいというふうに思いますが、昨年の今頃は給水停止までのサイクルを短くすることが検討されていました。私は、この水、命に直結する水というライフライン、給水停止までのサイクルを短くするということはやってはいけないということで、去年、強く求めました。その後、このサイクルの変更はあったのかどうか、まず伺います。
◯坂井サービス推進部長 初回の請求から給水停止までの期間は変更してございません。
◯斉藤委員 サイクルは今と変更していないということです。昨年の議論では、水道局として給水停止までのサイクルを短縮するということを検討していましたけれども、コロナ禍の当面は実施しないという方針も出されておりました。
伺いたいんですけれども、この現行どおりの運用、まだ変更していないという運用、これは当面の間だけの措置なんでしょうか。本来では、当面だけでなく、その先もサイクルの短縮を行うということは許されないと思いますが、この先もずっと短縮は行わず、現行のサイクルを維持していくということも含めて検討されるんでしょうか。伺います。
◯坂井サービス推進部長 現時点における認識でございます。
◯斉藤委員 現時点の認識ということで、その先のことには明言がないということなんです。そうすると、本来なら、今、給水をこんなに停止しちゃっているという実態を振り返ってちょっと考えなきゃいけない、そういう状況にあると思うんですけれども、現行のサイクルを維持していくということを、検討を行わないということであれば、私はこれ、本当にとんでもないことだというふうに思います。これだけ福祉につながずに給水停止を多く出してしまっているという現状で、サイクルを短くしてしまえば、さらに丁寧な対応というのが難しくなります。今まさに考え直すべきときではないでしょうか。給水停止までのサイクルは、コロナ終息後も短縮しないよう、改めて強く求めます。
制度変更の理由とされた「効率化」すら成り立たず、破たんが明白に
〇斉藤委員 昨年の質疑では、私は、このサイクルのことだけではなくて、委託による訪問の催告、訪問による催告についても取り上げてきました。
水道局ではこれまで、料金の支払いが遅れた場合、一定期間のうちに委託の検針員の方々が訪問を行って、支払いの催告を行ってきました。ここでは、委託の検針員さんは利用者の状況をつかんで、必要であれば分割払いを提案したり、福祉につないだりすることで、料金の収納を行うと同時に給水停止を避けるという、とても大切な役割を果たしてきました。しかし、昨年の、まさに今頃、水道局は、訪問による催告の業務をなくしてしまおうという検討を行っていました。私は、この訪問による催告をなくしてはいけないということも強く求めました。しかし、その後、一月からの実施というものは延期されたものの、今年度の四月からその業務をなくしてしまいました。
先日の公営企業会計決算での和泉なおみ都議の質問でも明らかになりましたけれども、これは本当に重大な問題だというふうに思います。訪問による催告がどういう役割を果たしてきたのか、いま一度考えないといけないというふうに思います。
訪問による催告の廃止をうけ、水道料金の収納率が激減
〇斉藤委員 そこで伺います。
委託による訪問催告を実施してきた昨年度までの収納率の過去五年分と、郵送による催告に変更した今年度の直近の収納率について、どうなっているでしょうか。
◯坂井サービス推進部長 当局は、区部におきまして、初回請求から複数の催告を実施した後、委託による訪問催告を行い、水道料金の徴収を行ってきたところでございます。
令和三年度では、初回請求約二千二百六十億円の債権は、委託による訪問催告を開始する前までに約九九%を回収しております。残り一%に当たります二十三億円につきましては、委託による訪問催告を実施してきたところでございます。
委託による訪問催告期間中の収納率でございますけれども、平成二十九年度から令和三年度までの過去五年間の平均が約八六%となってございます。
次に、委託による訪問催告廃止後の郵送による催告期間中の収納率は、令和四年四月から九月までの六か月間で約三三%となってございます。
◯斉藤委員 これも驚きの結果なんです。訪問による催告を行ってきた昨年度までの五年間の収納率の平均、これは八六%、それに対して、訪問をやめて郵送による催告に変えた今年度からは、この半年間で約三三%まで落ちてしまっているということです。これは明らかに大きな差になります。訪問による催告では、先ほどもいったとおり、幾らかでも、分割でもお支払いをいただいて、あるいは福祉につなぐということも行いながら、同時に給水停止を避けるという仕事を行ってきました。そして、回収も行ってきていると。その効果が数字にもはっきり表れているということではないでしょうか。
「効率化」を理由にして変更したこと自体が問題
〇斉藤委員 そもそも、この水道料金の徴収業務について、検針委託会社による訪問催告をこの四月から廃止したのはなぜなのか、また、どのような検討が行われたのか伺います。
◯坂井サービス推進部長 平成二十七年二月の包括外部監査におきまして、区部と多摩で別々の料金徴収システムを運営するのは非効率的であるということから、二つのシステムを統合するとともに、区部と多摩との業務の違いを可能な限り解消すべきとの意見が付されたところでございます。
これを受けまして、区部と多摩の料金徴収システムの統合に合わせて、業務の効率化と料金負担の公平性の観点から業務差異の解消を行ってきたところでございます。
令和四年四月のシステム本格稼働に合わせまして、区部における委託による訪問催告を廃止し、郵送催告へ切り替えたところでございます。
◯斉藤委員 業務の効率化が理由だと。それで、平成二十六年度、二〇一四年度の包括外部監査の報告で意見があったということなんですね。
私も確認しましたけれども、多くの場合でそうなんですけれども、業務の効率化ばかりを強調して、本来自治体が果たすべき役割、全ての都民の命と暮らしを守るという、これ、そもそも効率性をいっていたらこんなことできないんです。こういう、自治体しか、だから自治体しか果たせない役割なんです。この役割の視点が抜け落ちていると感じる内容が本当に多いものです。しかし、それでも今のご答弁は、この監査報告書には記載のないことまで理由にしているんじゃないかと思います。
まず、区部と多摩の業務差異を可能な限り解消するよう意見があったというふうにいうんですけれども、実際に記載されている内容は、システム上課題となっている区部と多摩地区の事務差異を可能な限り解消しとなっているんです。システム上の課題となるということについて記載をしているものなんです。訪問による催告では、システム上問題があるというふうなことを直接的にいっているわけじゃないんです。
それから、ご答弁の中に、料金の公平性の観点からというのがありました。これはどういう意味なんでしょうか。これは監査報告書には記載がありませんが、水道局の考えなんでしょうか。教えていただきたいと思います。
◯坂井サービス推進部長 一般論で恐縮でございますけれども、やはり水道事業は独立採算でございますので、多くの方がお使いになった水道に見合った形で料金の方をお支払いいただくというのが、まず第一の基本的な原則であるというふうに考えてございます。
その上で、必要に応じて、先ほど来ご答弁申し上げておりますように、ご相談いただいた方には適切な対応をしていくということでございます。
◯斉藤委員 多くの利用者の方々に合わせたというふうな、ああいうことをいっているんですけど、独立採算という一方でそういう性質があるとしても、公営でやっているわけです。公営企業法の話も、私、最初に出しましたけれども、本来の目的は、公共の福祉を増進するようにして運営しなきゃいけないんです。そこに対して、どういう状況に今なっているのかというのが、今すごく問われていると思います。効率化という言葉に偏り過ぎて、その言葉の下で何を切り捨てているのか、自治体としての役割、東京都の公営企業としての在り方として今どうなっているのか、これすごい問われているというふうに思います。
業務の効率化というんですけれども、そもそもこうした都民の暮らしと命を守る大切な仕事を、業務の効率化といって切り捨てるというのはあってはならないことです。しかし、業務の効率化といっている中で、本当にそれ、効率化につながっているのかということも疑問です。
実際には、収納率の激減によって、「効率化」にすらなっていない
〇斉藤委員 さらに伺いたいんですけれども、委託による訪問催告をなくすことで委託料というのはどれぐらい変わっているんでしょうか。この差額の金額について伺います。
◯坂井サービス推進部長 お話にあります徴収事務委託契約でございますけれども、これにつきましては、今お話のあった委託催告も含めた契約の見直しによりまして、結果としてでございますけれども、契約金額の差額が七億円減少しているということでございます。
◯斉藤委員 訪問催告をなくすことで、それだけじゃないんだということも伺っているんですけれども、いろいろ含めた上でも差額は七億円ということなんです。
先ほど、二〇二一年度の例で、催告になった一%というのが金額にすると二十三億円だということです。訪問による催告で回収している率、これを五年間の平均の八六%で計算すると、二十三億円のうち二十億円弱は回収されるということです。委託による訪問催告で削った分が、これざっくり、仮に今のご答弁いただいた七億円ということで計算をしても、約二十億円弱回収された、そこに対する費用七億円としても、約十二億円のお釣りが出てくるわけです。片や郵送による催告では三三%の収納率、この収納率で計算すれば、計算上約七億六千万円ということになります。皆さんがいうところの効率化の視点で見たって、郵送による催告、回収率が低くて破綻しているんじゃないですか。効率化というふうに全くいえない状況になっているんじゃないですか。認識を伺います。
◯坂井サービス推進部長 先ほど出てまいりましたシステムの統合に伴いまして、運営経費が年間五億円から六億円削減されております。そのほか、ちょっとまだ、今お話にあった制度の変更というのは、まだ六か月しかたっていないというところもございますので、ちょっと推移を見ていく必要があるのかなというふうに考えてございまして、その中で、詳細の原因については調べていきたいというふうに考えております。
◯斉藤委員 システムの変更と訪問による催告、これ別に連動しなきゃいけない話じゃないわけです。
給水停止を強いられる都民も、現場の職員も、つらい状況に
〇斉藤委員 施策から六か月たったところだといいますが、この六か月の間にどんなことになっているのか直視する必要があります。真剣に考えなければならないのは、そういう下で例年よりも多くの都民が給水停止にされて苦しめられているということです。物価高騰やコロナの影響で職を失い、そして、苦しい状況にある方たちが多い中で給水停止を急増させる、こんなことをやっているということ自体、自治体がやっていることとして逆行することなんじゃないでしょうか。
給水停止に行かなければならない職員の精神的負担も大きなものです。明らかに人が住んでいるにもかかわらず水を止めなくてはいけない。中には、今、電気やガスなんかも事業者が支払いの猶予期間というのも設けていたりします。そういう中で、電気やガス、まだついている状況なのに水を先に止めるような状況も出てきていると。
若い単身の女性の世帯での給水停止が増えているようだという実態もあると、声が寄せられています。水を止めた職員は、水を止めた先でどうなっているのか分からず、心配で、本当にいいのだろうかと、あの人どうしているだろうかと、日々自問する、そういう苦悩の胸のうちを語ってくれた方もいます。現場にいる職員は今どういう状況になっているのか。現場にいる職員の方々は、営業所とかですけど、訪問による催告がなくなれば、電話での問合せが増え、郵送業務、給水停止やその復旧、その対応が一気に増えるため、人員の配置を増やすことを昨年度から求めています。しかし、水道局は、それも拒否しています。営業所の人を増やしていません。その下で、実際は問合せの電話も長時間待たせてしまったり、十分に対応できず、状況が気になる方がいても電話すらかけられない状況、そういう逼迫しているという状況なんです。
なので、期間が来て初めてその現場に行って様子が確認できないまま水を止めざるを得ないと。これも、止める方も止められる方もどんなにつらい状況になっているか、水道局は、この現場の状況を知っているんでしょうか、見に行ったことがあるんでしょうか、この話に耳を傾けたことがあるんでしょうか、お答えください。
◯坂井サービス推進部長 サービス推進部の内部におきましては、定期的に各営業所を訪問して、どういう状況になっているのか、あるいはどういう課題があるのかということについてはディスカッションをしておりますので、そういう意味では、どういう状況になっているのかというのは把握しているというふうに認識しております。
加えまして、そうした営業所につきましては、本局の方から応援団を派遣するような形で、本当に必要な際には手を貸して協力しながら業務を実施している、そういう状況でございます。
◯斉藤委員 応援を出さなきゃいけないような状況になっているということなんです。そういう中で、細かい、それをやっていて、なお訪問による催告をやらなくなってしまっているから分からないケースがたくさんあるということなんです。把握しているんだというんだったら、このままほっておけない話だと思いますよ。効率化という言葉の下で今、何が切り捨てられてしまって、どんなことが起こっているのか、私これ前代未聞だと思います。全国どこでも、今、支援を行っている、水道料金で支援を行っているという自治体が広がっている中で、東京都では給水停止を急増させている、こういうやり方はすぐにでも見直さないといけないと思います。
「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する立場で、破たんした施策の是正を
〇斉藤委員 私、このテーマの冒頭に、水道法、地方公営企業法のこと、もちろんこれ皆さん当然ご存じのことと思いますけれども、その大切な基本の部分が業務の視点から抜け落ちているんじゃないかという思いがある下で紹介させていただきました。
それだけじゃなくて、憲法にも守るべき条項があります。これも当然ですけれども、第二十五条、全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとあります。
水が止められたら健康で文化的な最低限度の生活はできなくなるんじゃないですか。少なくとも、状況をまともに確認することもないままに水を止めるということは許されないのではないんですか、認識を伺います。
◯坂井サービス推進部長 停水の前には、必ず一度現地を確認した上で停水しているということを聞いておりますので、いきなり止めるということはないというふうに認識してございます。
◯斉藤委員 そんなことをいっても、今まで丁寧にやってきた、今までのご答弁の中でも、適切にやってきた、丁寧にやってきた、その基になっているのが、委託会社の方々に訪問、給水停止する前までに少なくとも二回行ってもらうとか、そういう丁寧な対応をやってきてもらった、そこを削減しちゃっているのは明らかです。そこはいい訳できないと思うんです。給水停止の急増の事態に当たって、これを見直さないということは、私は許されないというふうに思います。
最後に伺いたいんですけれども、本来、自治体、公営企業として行う水道事業として、この訪問による催告をきちんと人員配置を行って復活させて給水の停止の件数を減らすこと、そして、今まで行ってきたもっと寄り添う対応というのを行っていくべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◯坂井サービス推進部長 委託催告の変更をして郵送にしたものにつきましては、まず、まだ六か月しかたっていないこともありますので、これを停止するという考えは今現在ございません。
◯斉藤委員 六か月しかたっていないといいますけれども、皆さんお金に困っていなければ何とも痛くもかゆくもない問題かもしれません。しかし、今、生きるのに必死になっている人たち、仕事にありつけないような人たち、そういう人たちが、お金が払えないわけです。そういう方たちが給水停止されている中に含まれているわけです。大半そうだと思いますけど、これ、まだ六か月だからとのんびりしている話じゃないと思うんです。即刻、ちゃんと現場の状況も聞いて、そして、この実態に向き合って、すぐ検討して元に戻していく、よりよい対応にしていく、そういうことを行っていただくこと、これを重ねて強く求めて、質問を終わります。