※ 2021年11月29日、公営企業委員会
水道料金の未納者にはこれまで、訪問による催告を丁寧にやってきた
〇斉藤委員 次に、水道料金の徴収業務について伺います。
未納カードの発行枚数と給水停止の件数の推移について、今回、資料要求させていただきましたが、それを見ると、都では、毎年十万件強の給水停止があるということが分かります。
昨年、二〇二〇年度は、新型コロナの感染拡大の影響から、支払い猶予の期間を設けているということもあり、給水停止件数は八万五千六百九件と前年より二万件ほど減っているという状況です。それでも、とても多いというふうに思いますが、それだけ支払いができないという深刻な実態も多いということだと思います。
だからこそ丁寧な対応が必要だと思いますが、水道局では、給水を停止するまでに、どのような対応を行っているのか伺います。
◯金子サービス推進部長 初回請求でお支払いのないお客様に対しましては、催告文書の郵送、あるいは訪問による催告を二回以上行った上で、請求書と併せて、このままお支払いがなければ停水となることを通知する文書を郵送または現地に投函しております。
この段階においてもお支払いのないお客様には、改めて訪問による催告を実施しております。
こうした丁寧な催告を経た上でもお支払いがない場合は、やむを得ず給水を停止しております。
◯斉藤委員 催告文書の郵送、また、区部では、訪問による催告も繰り返し行って、丁寧な催告というものを行っているという答弁です。
区部では、料金の支払いの催告を訪問で行っている中で、支払いが難しい困窮者を自治体の福祉部門につなぐ、要支援者の情報通報を行っているというふうに聞いています。
その通報について、区部の過去五年間と今年度の実績について伺います。
◯金子サービス推進部長 行政による支援を必要とする者に係る情報の提供に関する協定に基づきまして、情報の提供を行った実績は、平成二十八年度は三件、二十九年度は五件、三十年度は八件、令和元年度は八件、二年度は四件となっております。また、三年度の実績は九月末時点で五件となっております。
◯斉藤委員 今ご答弁いただいたとおり、水道局と自治体の間では、水道料金の徴収の際に、行政による支援が必要とする方に対して、自治体に情報提供を行うという協定を結んでいます。その中で、今年までの約六年間で、区部では三十三件、自治体につないだ実績があるということでした。ただ徴収するだけでなく、困窮した状況にある方を支援につなげていくという本当に大切な役割を果たしている業務だというふうに思います。
郵送による催告に変えられたら、必要な支援が届かなくなるのでは
〇斉藤委員 しかし、この徴収の仕方を見直す検討がされていると聞いています。その中では、徴収事務の委託業者が行ってきた訪問による催告、この業務がなくなり、郵送による催告に変わるというふうにされています。
要支援者の情報の通報が訪問でできなくなるということか、確認させてください。
◯金子サービス推進部長 徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
◯斉藤委員 私が聞いたのは、訪問によって要支援者の情報を提供する機会がなくなるんじゃないかということなんです。
答弁が質問にかみ合っていないというふうに思うんですけれども、ちょっと伺いたいんですけれども、訪問による催告の業務をなくすという検討をしているということは事実ですかね。ご答弁お願いします。
◯金子サービス推進部長 徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
◯斉藤委員 繰り返しの答弁で、質問にも全くかみ合っていないお答えで本当に残念なんですけど、訪問による催告の業務について、この業務の委託を受けてきた事業者の契約からなくなっているということを聞いています。また、都の職員にも、今度の一月からこの業務をなくしていく検討があるということが知らされているということです。
私は、このことは、都民との関係でも重大な影響があると考えて、今、取り上げています。支払いについて、何らかの困難を抱えている方々への催告の仕方が変わるということ、とりわけ、生活に困窮し支援が必要な方々を自治体につなぐ貴重な役割を果たしてきた業務をなくすというこの大きな変更について、都民に明らかにしないで決めていくというのは、私は、これは許されないことだというふうに思います。
水道料金の訪問による催告は、支払いができない困窮者を発見し、必要な支援につなげる本当に大切な役割を果たしています。
委託業者が行ってきたこの現場訪問による催告業務、継続するべきだと思いますが、いかがですか。
◯金子サービス推進部長 繰り返しになりますが、徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
◯斉藤委員 答弁ができないっていうこと自体が、私、本当に問題だというふうに思います。不誠実な姿勢なんじゃないかと、私は水道局に対して思います。
申し訳ないんですけれども、先ほどからいっているこの徴収業務、適切な方法で行うとしているといいますが、具体的にはどういう方法でしょうか。ご答弁お願いします。
◯金子サービス推進部長 徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
◯斉藤委員 これ本当に、全く答えないということは、本当に不誠実そのものだというふうに思います。実際に検討しているという情報は入っておりまして、皆さん方もそれは否定されないわけですよね。それで、中身について一切答えないっていうのは、本当にひどい姿勢だといわざるを得ません。
給水停止までのサイクルの短縮はやめるべき
〇斉藤委員 さらに、この検討の中で、給水停止までのサイクルについて、現状よりも一か月短くするというふうにも聞いています。こうした検討があるということですけれども、短くしようとしている理由は何か伺います。
◯金子サービス推進部長 徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
なお、徴収の過程におきまして、お客様からお支払いについてご相談があれば、個別の事情を考慮した上で、支払い期限の延長や分割支払いなどに応じているほか、生活に困窮した様子がうかがえた場合は、区市町の福祉部署を案内するなど、きめ細かな対応を行っております。
◯斉藤委員 また繰り返しの答弁と、あと、相談があれば、それに応じてやっているということなんですけど、今やっているっていうことは分かりました。問題は、これからそれを変えていこうと、やり方を変えていこうという、その中で重要な役割が削られていってしまうと、それが問題なわけですね。
検討の中身も、そして、理由も答えられないというのは、本当に都民にとって不都合なことを隠そうとしているといわれても、これは仕方がないことだというふうに思います。
水は、命に直結する欠かせないライフラインだからこそ、電気やガスが止まっても、水の供給は続くということが広く認識されています。給水停止までのサイクルを早めることはやめるべきだというふうに思いますが、見解を伺います。
◯金子サービス推進部長 徴収業務は、適切な方法で行うこととしております。
◯斉藤委員 こういう都民に関わる重要な問題でもまともに答弁ができないというのは、私、本当に情けないといいますか、本当に悲しい思いです。しっかり、都民の暮らしに、今、コロナ禍だからこそ、しっかり向き合っていただきたいというふうに思います。
現状で、今ご答弁されたようなきめ細かな対応をやっているということは十分に分かりました。やはり、今、問題なのは、その対応が弱まることにつながる、この業務をカットしようとしていることです。
実際に、現場で検針業務に当たっている方から、支払いが滞っているお客さんが、水は最後まで止まらなくて助かったといっていたというお話がありました。コロナ禍では、当面は、この給水停止までのサイクルの短縮を行わないということは当然ですけれども、その先においても、給水停止までのサイクルを早めて、電気やガスと同じようなサイクルで停止をするということは、最後のライフラインとして守られているという、この命の水道の認識を大きく変えることになると思います。都民的な議論もなしに、まともな答弁や説明もないままに決めていいことではないというふうに思います。
訪問による催告の業務を継続するとともに、給水停止までのサイクルの短縮を行わないことを強く求めます。