浸水対策の重点地区である千住地域で、水害から住民を守るための設備――隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の、進ちょく状況や完成までの対策など確認し、住民の願いにこたえて進めるよう求めました。(2021年11月18日、公営企業委員会)
住民から切望されていた整備の進ちょく状況は
◯斉藤委員 近年、集中豪雨の頻発や台風の大型化など、激甚化する豪雨による水害が増えている中で、都民の命を水害から守るためにも、下水道局による浸水対策は喫緊の課題です。
経営計画二〇二一の浸水対策では、私の地元の足立区では、千住地区が対策重点地区として位置づけられており、隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の整備が事業中となっています(※設備の概要はコチラ)。もともと千住地域は浸水被害が多いところで、浸水対策は住民にとっての切実な要望でした。
二〇〇四年十月の台風による豪雨で、千住宮元町や千住大川町で、床上、床下浸水の被害、また、二〇〇九年八月の台風前の大雨でも、千住龍田町や千住中居町で、床下浸水や道路冠水の被害が出ました。
こうした水害から住民生活を守るための、そして、命を守るための対策が待望されていましたが、この隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の整備の経過と進捗状況について伺います。
◯袰岩建設部長 隅田川幹線と千住関屋ポンプ所は、千住地区の都市化の進展に伴う雨水流出量の増大に対応するため、本地区の雨水排除能力の向上を目的として、令和七年度末の完成を目指し、整備しているところでございます。
隅田川幹線は、直径最大五・五メートル、総延長約三・四キロメートルの幹線をシールド工事で整備するものであり、平成二十一年度に着手し、令和元年度に完了しており、現在、幹線に雨水を取り込むための取水管等を整備中でございます。
千住関屋ポンプ所は、平成二十一年度に工事着手し、ポンプを収容する地下の構造物の工事はおおむね完了しているところでございます。
設備が完成するまでの期間の浸水対策は
◯斉藤委員 令和七年度の完成ということで、完成はまだ四年先だということです。
下水道局の浸水対策の取組方針では、幹線などの規模の大きな施設整備には長時間を要するため、一部完成した施設の暫定供用など様々な工夫により、完成した施設の効果を速やかに発揮していくというふうにされています。
そこで、千住地域で、隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の完成までに行われてきた浸水対策について伺います。
◯袰岩建設部長 隅田川幹線と千住関屋ポンプ所は、規模が非常に大きく、完成までに相当の時間を要することから、早期に浸水被害を軽減するため、隅田川幹線に接続する取水管を先行整備し、平成七年度から暫定貯留管として順次供用を開始してございます。
具体的には、足立区千住龍田町など三か所におきまして、直径最大三・二五メートル、総延長約四キロメートルの下水道管で、総貯留容量二万九千立方メートルの暫定貯留管の供用を開始しております。
◯斉藤委員 千住龍田町など三か所で、暫定貯留管を造って供用を開始しているということです。
千住龍田町のこの貯留管は、まさに、私の、代々から引き継いでいる事務所の前の道路に敷設されたものなんですけれども、対策の前には道路の冠水が頻繁に起こり、浸水の心配が絶えなかったということですが、この貯留管が敷設されてからは、浸水の被害がなくなってよかったという話を事務所のスタッフからも聞いています。浸水被害が出た当時から、私の前任のさらに前の渡辺康信都議のときからも、下水道局へ繰り返し要望を行って、暫定貯留管の整備、計画が出されたということが、事務所の資料にも記録されていました。
現在は、三か所の暫定貯留管が整備され、今後は、抜本的な対策として、千住関屋ポンプ所の完成が待たれているところです。
設備の上部にある空間の利用は、住民との話し合いで
〇斉藤委員 一方で、千住関屋ポンプ所の周辺は、住宅やマンション、都営住宅などが隣接している地域です。近隣の住民からは、計画当初はポンプ所の建設について反対の声もあったというふうに聞いています。地元の理解を得ながら進めるために、地元の協議会と足立区、下水道局とで話合いを行ってきたというふうに伺っています。住民の皆さんからは、ポンプ所の上部を広場のような空間として住民に開放することを求める声も届けられております。
そこで、関屋ポンプ所の上部利用の計画はどうなっているのか伺います。
◯袰岩建設部長 ポンプ所などの上部利用に当たりましては、施設の下部の建設や管理について下水道局が担当し、上部利用施設の工事や管理については地元区が担当することとしております。
千住関屋ポンプ所においては、その上部の一部について、足立区からの要望等を踏まえ、区が維持管理することを前提に、上部利用の協議を進めているところでございます。上部利用に関する具体的な整備方針等は、区が検討を進めております。
◯斉藤委員 足立区からの要望等を踏まえて、上部利用の協議を進めているということです。
この件について、地元の町会長さんからもお話を伺いましたけれども、コロナの緊急事態明けから、先日久々に開かれた協議会で、上部利用がいつできるのかと話題になったということです。施設の完成が二〇二五年で、上部利用はさらに先になるという説明で、残念だという声もあったということでした。
着実に工事を進めるとともに、建物が完成した際には、早急に上部利用の整備ができるように、足立区とも連携を取っていただくことを求めます。
また、工事現場の近隣の方々からは、工事車両による振動や道路のひび割れなどの被害があるということを伺いました。工事車両は、速度を落としてゆっくり走るというふうに事業者も配慮をしているということもあるということでしたが、ひび割れが補修されない状況もあるということです。こうした地元住民の声を直接聞く機会を改めてつくってほしいという要望も寄せられました。そうした機会をぜひつくっていただきますよう、改めて要望させていただきまして、次の質問に移ります。