小中学校の給食費の無償化を

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文教委員会 2019年12月2日

小中学校の給食費の無償化を

 

斉藤委員 小・中学校の給食費の無償化に関する請願について質疑をさせていただきます。

今回、小中学校の給食費の無償化を実現するために、区市町村への食材費等の補助を東京都に行ってほしいという趣旨で請願が提出され、現在までに一万人近い都民の方々からの署名が集まっております。

今回この請願を出された方々、保護者の方に、私は、声について、要望について伺ってきました。その内容を一部、最初に紹介をしたいと思います。

アレルギー対応食を希望したときに費用の問題をいわれました、食材費が足りないといわれたことがあります、医療費と同じで、きちんとみんなが平等に食べられる給食にするためにも、都や自治体が補助を拡大してほしい、また、国産や地産地消の安全な食材を使った給食を子供たちに食べさせたいです、保護者負担の給食費は消費税増税のときに上がったりしましたが、実際の給食には十分でないとも聞いています、東京都に補助してほしいです。

こういう切実な声です。格差と貧困が広がり、子供の貧困が大きな社会問題となる中、学校給食の果たす役割はかつてなく重要なものになっています。

請願者は、家庭の経済状況にかかわらず安心して食事ができることは、子供の情緒の安定のために大切なこととして、未来を担う子供たちの健やかな成長、発達を育む学校給食を充実させてほしいという願いをこの請願に託しています。

私自身も、今、小学校三年生の子供を育てている母親の立場として、この請願の内容に心から共感する思いです。子供たちの健やかな成長を保障していく上で、東京都が果たすことができるその役割は大きなものだと思っています。

この請願に賛成する立場から伺います。

まず、日本の子供たちが置かれている今の教育環境についてです。

OECDが九月十日に発表した最新の調査結果によると、二〇一六年の初等教育から高等教育の公的支出がGDP、国内総生産に占める割合は、日本は二・九%、三十五カ国中最下位ということが明らかになっています。

日本の教育に対する公的支出が極めて低いことについて、都教育委員会ではどのように受けとめているでしょうか。

小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 OECDが国全体の教育費に関する調査結果について発表したことは、事実として承知いたしております。

都教育委員会としては、児童生徒の教育に必要な経費を毎年度、予算に計上いたしております。

斉藤委員 事実として承知をしているというお答えです。そのとおりですけれども、そもそも日本の教育に対する公的支出は、世界的に見ても極めて低い水準にあるという現状を出発点にして、子供の教育の環境をどう充実させていけるかということを考えていかないといけないと思います。

公的支援が少ない中で、親の経済力が豊かになっているのかといえば、真逆の状況です。富裕層や巨大企業ばかりを優遇していくアベノミクスによって、資本金が十億円以上の大企業には、今や四百五十兆円もの内部留保がため込まれている一方で、働く人たちの賃金は低く抑え込まれて、実質賃金は減り続けています。

格差が広がり、親の経済状況にも厳しさが増している中で、さらに公的支出が低い日本の教育環境が子供たちに与えている影響について、都教育委員会はどのように認識しているでしょうか。

小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 児童生徒の教育機会の平等を確保することは重要でございます。

都教育委員会では、家庭の経済状況によって児童生徒が教育を受ける機会を失うことのないよう、国や区市町村との役割分担を踏まえて、必要な支援を実施いたしております。

斉藤委員 教育の機会の平等の確保は重要ということ。家庭の経済状況によって児童生徒が教育を受ける機会を失うことのないように、国や区市町村との役割分担を踏まえて、必要な支援を実施しているということは大事な観点だと思います。

しかし、現状では、高等教育への公的支出が少ないこと、私立学校への支援が少ないこともあり、日本の教育への公的支出は非常に低い状況です。

義務教育においても、教員配置が不十分であったり、給食費のように保護者負担になっている部分が多く、子供たちに教育を保障していくために、必要な予算をふやしていくということが重要だと思います。とりわけ、働く親の世代の実質賃金が上がらず、貧困と格差が深刻な状況にあるもとで、給食の果たす役割はますます大きくなっています。

そして、食育の観点としても学校給食は重要なものです。学校給食法では、学校給食の目標について、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ることや、食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を養い、望ましい食習慣を養うこと、学校生活を豊かにし、明るい社交性や協同の精神を養うこと、食生活が自然の恩恵や食にかかわる人々のさまざまな活動に支えられていることについての理解を深めること、また、伝統的な食文化についての理解を深めることなどを挙げています。

雇用条件や生活が厳しく、なかなか食事にきめ細かく手をかけたくても余裕がない家庭が多い中で、子供たちが毎日食べる給食の中で、これらを体験的に身につけていくことは、とても重要な教育的意義があると思います。

学校給食は子供たちにとって重要な教育活動だと思いますが、改めて都教育委員会の認識を伺います。

太田地域教育支援部長 学校給食は重要な教育活動だと思いますが、改めて認識を伺いますというご質問でございますが、学校給食の時間における指導は重要な教育活動であると認識しております。

斉藤委員 重要な学校教育の活動だということです。

学校で働いている栄養士さんに伺ったんですけれども、給食が教育であるなら、給食はその教科書であり、教材だということです。私は本当にそのとおりだなと、お話を伺って思いました。

給食を通して子供たちは、適切な味つけ、栄養バランス、多様な食材や調理の方法、食事の意義、行事との関連、日本の伝統的な食事、みんなで食べることの楽しさなどを体験的に学びます。言葉でどんなに立派なこと、栄養バランスを考えてとかいろいろいっても、実際の給食の体験にはかないません。そうした意味で、給食というのはまさに教科書、教材であり、子供たちの教育に大きな意味を持っています。

食育は、豊かで安全な食について学んだり、健康な体づくりを支えるなど、大事な意義があると思いますが、いかがでしょうか。食育の観点から、都教育委員会が支援をすることにも大きな意義があると思いますが、見解を伺います。

太田地域教育支援部長 食育は、食に関する適切な判断を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、心身の健康の増進と豊かな人間関係に資するものと考えております。

都教育委員会はこれまでも、学校が食育を効果的に進めていくための食に関する指導資料集を作成、配布するとともに、都独自の仕組みである食育リーダーや食育推進チームを各学校に配置し、学校全体としての取り組みの中で、食育の推進を図っております。

なお、学校給食費への支援につきましては、区市町村が、地域の実情や特性を考慮して、区市町村の判断により行っております。

斉藤委員 食育は、判断力、健全な食生活、心身の健康増進、豊かな人間形成に資するものだと、その重要性をご答弁いただきました。そして、そのために、指導資料集の配布など、食育の推進を図っているということです。

もちろんそうした都教委の取り組みも重要ですが、今やはり注目すべきは、食育のために質のよい給食をつくろうとしたら、それなりの費用がかかってしまうということなのです。

日本共産党都議団では、学校に勤務する栄養士さんたちからのヒアリングをこの間重ねていますが、食材費の高騰などで給食の質を保つのに必死だということを聞いています。小麦にしても、肉や野菜にしても、乳製品にしても、本当に昨今の食材費の高騰は、多くの皆さんが感じていらっしゃることだと思います。

野菜の高騰によって季節の野菜が使えず、安いもやしの量がふえたり、肉や魚も高いので、小さい切れ端をまぜる煮物にするしかなく、カルシウムなどが不足がちになったりするとのことです。果物も高いため、ブドウやイチゴも一人一粒がお皿に載るだけというふうに聞いています。

できるだけ国産の多様な食材と多様な調理方法での給食。季節や行事、伝統などを感じられる食事を出してあげたいけれど、必ずしもそうはいかないというのが現状です。

そもそも給食費を保護者負担とすれば、できるだけ安い方がよいというのは当然です。

しかし、それでは、質の高い給食、豊かな給食と矛盾してしまいます。そこを解決する必要がある。そのためには、都の支援も含め、給食やその食材を公費で支援していくということが必要なのではないでしょうか。

豊かな給食、豊かな教育を保障するために、その根本の理念となっているのが憲法です。憲法第二十六条では、全ての国民の教育を受ける権利を保障し、義務教育の無償化を明記していますが、実質的には無償化の内容が部分的にとどまっていることについて、都教育委員会はどのように認識しているでしょうか。

小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 憲法に定められた義務教育の無償化につきましては、教育基本法において、授業料を徴収しないこととされております。

あわせて、義務教育段階におきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律などの法律により、教科書も無償となっております。

斉藤委員 授業料と教科書は無償となっているということでした。

憲法二十六条では、教育費は無償という規定。その精神を実現するために、現在はそこまでは無償にしているということです。さらに、収入の少ない家庭に対しては就学援助という形で、それだけでは網羅できない教育費が支給されています。

現在の無償化はそうした段階にあるということですが、そうした中、公立小中学校の学校教育費の保護者負担の中で、現在一番大きな部分を占めるのが給食費です。

文部科学省の調査では、例えば小学校の場合、年間約十万円の学校教育費がかかっていますが、そのうち四割を占めるのが給食費です。

都教育委員会では、保護者が学校に納入するお金の調査をしていますが、給食費はその四分の三を占めています。憲法二十六条を本当に実現することを考えたとき、次に無償化すべきなのは、この給食費だというふうにいえるのではないでしょうか。私は、給食費無償化の意義は、教育費無償という憲法の理念を実現する上でも、とても大きいものだと思います。

しかし、実際の給食費は無償に近づくどころか上がっているというのが実情です。小中学生の保護者が負担する学校給食費は、この十年間で月額で幾ら増減しているか伺います。

太田地域教育支援部長 東京都における学校給食の実態によりますと、平成三十年度までの十年間で、小中学校の平均給食費月額は約三百三十円上昇しております。

斉藤委員 月額で三百三十円の上昇。毎月の給食費は大体四、五千円ですので、約一〇%上昇しているということになります。

ご答弁のとおり、教育庁のホームページでは、保護者が負担する教育費調査報告書というのがありまして、小学校の給食費は、二〇一七年までの十年間で年間五千円値上がりをして、現在は年間で四万円、中学校では七千円値上がりをして、現在、年間で三万九千円となっております。

これは、分母が児童生徒全員であるのに対し、分子が就学援助分が含まれていないので金額が少なくなっているのですが、この十年間の上がり幅は同じ傾向で、約一〇%上がっているということです。

この十年間で消費税も上がりました。先ほど申し上げたとおり、食材費も高騰しています。そうした中で、やむを得ず給食費を上げている。しかし、やはり給食の質を保つのがだんだん困難になっているというのが現状なんだということだと思います。

こうした中で、全国的に学校給食費を支援する自治体の動きがふえています。国は、学校給食費の無償化等の実施状況及び完全給食の実施状況の調査を初めて行い、昨年度に結果をまとめました。これを受けて、都教育委員会ではどのような検討が行われているのか伺います。

太田地域教育支援部長 学校給食費の無償化については、法改正や財源確保など、さまざまな課題があり、国の責任と負担によるべきものと考えております。

斉藤委員 国の責任と負担によるべきだから何も検討していないというような答弁だというふうに思いますが、給食は重要な学校教育活動という認識を持ちながら、また、国も調査に動いているというときに、東京都が知らぬ存ぜぬの姿勢のままではいけないというふうに思います。

それから、ご答弁で、学校給食費の無償化について、法改正や財源確保など、さまざまな課題があるということですが、都が食材費を補助するということは法的に不可能だということをいっているんでしょうか。

太田地域教育支援部長 学校給食法第十一条の規定により、学校給食の食材費等は保護者が負担することとされており、保護者負担の軽減策等についても、区市町村の判断により行われていると認識しております。

斉藤委員 法的にどうかということを聞いているわけです。学校給食法第十一条のことをお話しされていますけれども、これは、食材費、学校給食費は保護者が支払わなければならないといっているわけではなく、保護者の負担軽減を制限するものでもありません。

昨年三月の質疑でも、我が党の米倉委員に対して、学校給食の負担軽減を都が行うことについて、法律上は何ら規定されていないというご答弁をされています。

再確認いたしますが、都が食材費を補助するということは、法的に可能だということですよね。不可能ではない、そういうことですよね。

太田地域教育支援部長 学校給食法第十一条第一項及び学校給食法施行令第二条には、学校設置者の負担すべきものとして、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費、修繕費を含みますけれども、これのほか、学校給食に従事する職員に要する人件費、これらに要する経費以外の学校給食に要する経費である食材費等につきましては、学校給食を受ける児童または生徒の保護者が負担すると規定されております。

委員ご指摘の件につきましては、学校給食関係法令の趣旨にのっとって運用されるものと考えております。

斉藤委員 繰り返し同じ認識を話されているんですけれども、これ、法律上で支援できないということはいっていないということ、これは昨年答弁をされています。私、これは、要するに、やる気の問題なんだというふうに思います。

学校給食法でいえば、第五条に、国及び地方公共団体の任務として、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならないと明記されています。東京都も立派な地方公共団体だと思います。まさに学校給食の普及と健全な発達を図るよう努めるということを求められているというふうに思います。このことは強く強調しておきたいというふうに思います。

こうした中で、全国の自治体で学校給食費の支援が広がっているということ、先ほども触れました。兵庫県明石市では、来年度から中学校の給食を無償化することを決めました。成長が著しい中学生の給食を無償化することで、貧困対策を含め、食のセーフティーネットの役割も果たし、将来的には小学校の給食費の無償化も検討するとしています。全国の政令、中核市としては初めての支援ということで、大きなニュースになりました。

そこで、都内の区市町村では、現在、学校給食費が無償化となっている自治体はどこか、また、給食費や給食食材への補助を行っている自治体は幾つあるのか伺います。

太田地域教育支援部長 平成三十年度東京都における学校給食の実態によると、学校給食について保護者負担のない自治体は、利島村と御蔵村の二自治体でございます。個々の自治体の補助内容については把握しておりません。

斉藤委員 全額公費負担しているのは利島村と御蔵村ということですが、そのほか補助を行っている自治体は把握をしていないということです。学校給食会の調査によると、給食費の無償化は奥多摩町でも行われ、今年度からは三宅村でも実施されています。

二十三区でも給食への支援の取り組みが広がっています。葛飾区や品川区に加えて、世田谷区では昨年度から年収七百六十万未満の世帯の給食費を無償にしています。

また、来年度からは、北区が、新たに小中学校での給食費の負担軽減を行うことを決めています。子育てするなら北区が一番を実現するために、負担軽減を実施するものだということです。

東京都としても、区市町村に対して支援を行うことが貧困対策や子育て支援の貢献に資するものだと思いますが、都としての見解を伺います。

太田地域教育支援部長 公立小中学校における学校給食費は、学校設置者である区市町村が、地域の実情や特性を考慮して決定しております。

斉藤委員 私、支援をやるかやらないかということを今聞いているわけじゃなくて、貧困対策や子育て支援の貢献に資するものだというふうに思うけれども、その認識についてはどうかというふうに聞いているんです。もう一度お答えいただけますでしょうか。

太田地域教育支援部長 先ほどお答え申し上げましたとおり、公立小中学校における学校給食費は、学校設置者である区市町村が、地域の実情や特性を考慮して決定している、このように考えております。

斉藤委員 認識について答えることもできないということなのかなというふうに思います。私は、この姿勢は変えていかないといけないというふうに思います。

私は、来年度から新たに給食費の補助を始める北区に行きまして、内容について伺ってきました。北区が行う給食費の補助は、区立小中学校に通う第二子以降の子供を対象に、第二子を半額、第三子以降は全額を補助するというものです。影響額は全部で一億八千五百万円と試算をしています。この影響額は北区全体の一般会計の約一千四百億円の一千分の一程度の規模になります。

我が党が二〇一七年の第三回定例議会で条例提案した小中学校給食費助成条例案は、児童生徒一人当たり年額一万一千円を上限に補助をするという内容でしたが、必要財源は七十億円であり、都の一般会計からすると、今回の北区の支援と同程度の規模になります。

東京都でも給食費の助成の支援は財政的にも十分に実現できるものだと思いますが、いかがでしょうか。

太田地域教育支援部長 都における区市町村への給食費の助成についてでございますが、学校給食法第十一条の規定により、給食設備整備費や人件費は学校設置者である区市町村が負担し、食材費等は保護者が負担することとされております。

就学援助を含む保護者負担の軽減策についても、区市町村の判断により行われていると認識しております。

斉藤委員 何といわれても同じ答弁を繰り返すという旧態依然とした姿勢ですけれども、私は、東京都は、給食費の補助に向けて新たなステージに踏み出すことが必要だというふうに思います。ニーズがとても高く、全国的にも大きな動きが出てきているわけです。

北区で伺ってきた中では、本来なら全ての子供に補助ができたらいいが、財政的なこともあるので、今回は多子世帯への支援という内容に決めたということでした。まさに東京都からの支援があれば、もっと充実できるということではないでしょうか。

保護者の方々の声、今回請願を出されたお母さん方の声を再度紹介したいと思います。

韓国では給食が無料と聞きました、日本や東京でできないとは思えません、子供の貧困が問題になっている中、一番命に直結した支援だと思います、また、中学校給食がまだありません、実現のためにも、自治体によって、保護者の収入によって差が出ないようにしてほしい、無料なら、申し込むか悩んだり、子供が学校で肩身の狭い思いをしなくて済みます。

都教育委員会としてこの声に応えていくことが必要ではないでしょうか。貧困対策、食育の重要性、子育て支援、多くの面から、その充実が求められているのが学校給食です。

さきの都議選では、ここにおられる多くの会派の皆さん方も、小中学校の給食費を無償化するという公約を掲げられていました。議会としても新しい流れをつくるチャンスではないでしょうか。

日本共産党都議団として、小・中学校の給食費の無償化に関する請願に賛成するとともに、全ての会派の皆さんにも賛同を呼びかけて、質疑を終わります。