保育の「上乗せ基準」に対する東京都の態度は?

保育士の皆さん、保育の質について関心の高い保護者の皆さんにとって、大きな心配のひとつである政府による保育の「上乗せ基準」敵視。

そもそも、「1歳児6人に対して保育士1人」という国基準は無理すぎる!!!ということで、多くの自治体で、国の基準を上回る手厚い基準を設けているのです。ところが政府の「規制改革会議」では、この手厚い基準を「上乗せ規制」とよんで問題視しています。

昨年末に出された同会議の答申を受けての小池都知事の記者会見の様子に、多くの当事者は不安を感じました。この件について、この間の都への質問を以下にまとめました。代表質問と、私の文書質問で追いかけています。ご確認と応援のほど、よろしくお願いいたします!

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◆都議会代表質問 2017年12月6日
<日本共産党・米倉春奈都議>
政府が設置している規制改革会議の答申は、自治体が保育の人員配置や面積について独自の上乗せ基準を実施していることを問題視し、都道府県が協議会を設置して検証するよう求めています。問題なのは低過ぎる国基準です。にもかかわらず、小池知事が記者会見でこの答申を歓迎したいと述べたことは重大です。

知事は所信表明で、保育の質と量の充実を進めると発言しましたが、規制改革会議が問題視している自治体による人員配置や面積の上乗せ基準は、保育の質の充実のためになくてはならないものだということを知事はどう考えているのですか。保育の質の充実というなら、こうした上乗せ基準への都の支援の充実こそ必要ではありませんか。知事、お答えください。

<小池ゆりこ都知事>
保育所の人員配置、そして面積基準についてのご質問でございます。保育サービスの整備に当たりましては、量の拡大と質の向上を図ることが必要であります。そのため都は、地域の実情に応じまして、多様な保育サービスの整備に取り組む区市町村に対しまして、さまざまな支援を行っております。

人員の配置や面積基準につきましては、都の条例で定めている基準を踏まえながら、保育の実施主体であります区市町村がそれぞれの判断で定めていると認識をいたしております。

◆文書質問・斉藤まりこ  2018年3月28日提出
(前略)
区市町村が設けている独自の手厚い基準について、都道府県から切り下げていくように圧力がかかるのではないかと、保育従事者や保護者から不安の声が上がっています。

昨年2017年の第4回定例議会で、規制改革会議の提言についてのわが党の質問に対して、知事は「保育サービスの整備にあたっては、量の拡大と質の向上を図ることが必要」とし、「人員の配置や面積基準については、都の条例で定めている基準を踏まえながら、保育の実施主体である区市町村がそれぞれの判断で定めていると認識している」と答弁しました。「東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例」には、「知事は最低基準を常に向上させるよう努める」ことと、「児童福祉施設は、最低基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならない」と明記されています。いま、まさに、その実行が求められています。

Q 上乗せ基準を実施している区市町村の基準の引き下げは求めないことを明確にすること、そして何よりもこどもたちの権利と健やかな成長を守るために、上乗せ基準を維持・向上できるよう東京都からの支援が求められていますが、いかがでしょうか。
(回答は6月中旬予定)