都議会・公営企業委員会の視察で福岡に来ています。
昨日(4月25日)は渇水対策として造られた国内でも珍しい揚水式の長谷ダムや、福岡市の水害対策として造られた雨水調整池などを視察しました。この雨水調整池は、野球場を1メートルほど掘り下げ、2006年に完成しました。ふだんは野球場のグランドとして有効活用されていますが、集中豪雨のときには雨水を貯める調整池となって、市内の浸水を防いできました。これまで2度、調整池として活躍したそうです。
福岡市の下水道は、もともと東京都の区部と同様に雨水と汚水の合流式でしたが、その分流化をすすめたことで合流管比率は10%まで下がりました(東京都区部の合流管比率は77%)。ただ福岡市下水道局の方に伺うと、分流式でも配管の事業者による配管の誤接続があり、雨水管に汚水が混ざってしまうなどの課題もあるとのことでした。
今日(4月26日)は、地下鉄七隈線の車両基地に訪れました。七隈線は国内で唯一、地下鉄工事が行われている現場ですが、2016年11月に福岡駅近くの工事現場で大規模な陥没事故が起こったことは、皆さんも記憶に新しいところだと思います。現在は埋め戻しをして、地下水の動きを抑制するために薬剤を入れて地盤改良をおこなったとのこと。ただ、都市部であり、下水道管などとの関係もあり、引き続き事故前と同じナトム工法で工事をおこなっているそうです。
日本共産党福岡市議団の報告によると、ナトム工法ではとくに掘削中のトンネルを支える鋼材に計測器をつけ、岩盤からの圧力を測る計測が「特に重要」であることを福岡市が認めているとのことです。しかし、実際には、工事事業者(大成建設JV)による計測値の確認は1日に2回だけ、市への報告は月報(月ごとの報告)でしかなく、実際に市が数値を把握したのは事故後であり、計測を重視して市が厳しく監督する体制にはなっていなかったことが明らかになっています。
現在の安全管理の体制がどのようになっているのか、時間の関係で聞きとりできませんでしたが、大深度の道路建設や今後に地下鉄工事を行う可能性のある東京都でも他人事ではありません。大規模陥没事故の教訓を生かしていけるように、今後も調査をしていきたいと思います。
と、視察は車両基地のことがメインでしたが、事故のことが気になってしかたありませんでした(^^;。