水質事故うけて質疑/二度と起こさないために

9月28日、公営企業委員会にて質疑をしました。9月10日に足立区中川で起きた水質事故についてです。

住民の方から水道水の異常についての通報があり、調査の結果、東京都の下水道局の施設である中川水再生センター内の建設発生土改良プラントにおいて、トイレの排水などに使う三次処理水(下水)の配管と上水道の給水管が違法につながれていたことがわかりました。このことはメディアでも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。

東京都の施設の中でなぜそんなことが起きたのか。私は主にこのプラント内での職員体制や職場環境の問題から事故に至った背景について、質疑をしました。

このプラントでは三次処理水をトイレの排水のほか、車両や機械の洗浄や、敷地内で土ぼこりが舞うのを防ぐための散水にも使っていましたが、隣接する水再生センターでの保守点検などのために、この三次処理水の供給が止まったり、水圧が弱まることがたびたびありました。そのなかで、トイレの排水を確保するために、5年前の2012年に同ブラントの派遣社員によって水道の給水管と三次処理水の配管がつながれていたということです。ふだんはバルブを閉めて切り替えていたために、事故になることはなかったのですが、今回9月10日に同プラントの請負会社の作業員によって、トイレの排管の清掃が行われた際に、バルブを閉め忘れ、三次処理水が水道管に逆流をしたということです。

このプラントの運営をしているのは東京都の監理団体である「東京都下水道サービス株式会社」(TGS)ですが、職員体制を確認すると、実にさまざまな雇用形態の方々が同プラント内で一緒に仕事をしていました。TGSの正規職員、派遣社員、請負会社の方、請負会社に派遣されている方、二次請負の方々。指揮命令系統や連絡体制がどのようになるのか、非常に複雑な状況ですが、こうした中で、二つの配管がつながれていたことを派遣社員や請負会社の方たちが知っていても、肝心要のTGSの責任者には伝わっておらず、違法性を認識することができずに重大な事故につながったということが疑われます。職場環境の改善を行なう責任は、同施設を所管する監理団体のTGSと下水道局にあります。トイレの排水に困る状況があることを認識しながら、改善をせず、働く人たちの状況を関知しなかったことで、住民の方が使う水道に大きな影響を与えることになってしまった責任は重大です。

私はプラント内での日々の業務や職場環境について、TGSがしっかりと把握をして責任をもつ体制を整えることを求めました。今回のことを受けて、TGSは仕事の進め方など検証するための委員会を社内に立ち上げて、全社をあげて体制の見直しと改善をすること、そして下水道局からもチェック体制の強化や社員教育を行なうことをTGSに指導したという答弁がありました。

都の施設で働く人たちの職場環境が良いものになってこそ、都民の皆さんに信頼されるいい仕事ができるのではないかと思います。私からは、働く人たちの締め付けだけに終わるようなことではなく、派遣社員でも請負会社の人でも困ったことがあればなんでもTGSの職員に相談できる風通しの良い職場をつくることもらいたい、ということも要望しました。

また、被害に遭われた住民の方々の声に応えて補償や不安の解消などもしっかり行うことを求めました。

初めての本格的な質疑だったので、私もとても緊張しましたが、都民の方に信頼される仕事をするためにも働く人たちの環境をよいものにしないといけないという私の質疑に、おもいがけず、感動しましたと言ってくれた職員の方がいて、質疑後は私も緊張がほどけました。足立区からも初めて都庁に傍聴にきてくださったという方々がいて、励まされました。二度とこのようなことが起きないようにするためにも、私も今後も都民の皆さんの目線に立って、がんばっていきたいです!